このページは、変形性膝関節症に対するPRP(ピーアールピー)治療について、受ける前に知っておいていただきたいことをまとめたものです。PRPは自由診療(保険外)です。診察でのご説明とあわせてご覧ください。
変形性膝関節症そのものの解説(病気の進み方や、リハビリ・ヒアルロン酸注射・手術など)は 変形性膝関節症のページ をご覧ください。
変形性膝関節症そのものの解説(病気の進み方や、リハビリ・ヒアルロン酸注射・手術など)は 変形性膝関節症のページ をご覧ください。
1. PRPとは?
自分の血液から取り出した成分を膝に注射し、炎症をやわらげて痛みを軽くする治療です。
PRPは「多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう)」の略で、血液の中の血小板(けっしょうばん)を濃縮したものです。血小板には、炎症をしずめたり組織の修復を助けたりする成分が含まれています。自分の血液を使うため、アレルギーや拒絶反応の心配が少ないのが特徴です。
大切な点: PRPは「再生医療」と呼ばれることがありますが、すり減った軟骨をもとどおりに再生させるものではありません。今わかっている主な働きは炎症をしずめて痛みをやわらげることで、レントゲン上の変形の進行を止める効果ははっきりしていません。「痛みをやわらげて、うまく付き合っていく」ための治療とお考えください。
PRPは炎症(赤)をしずめて痛みをやわらげます。軟骨そのものを作り直すわけではない点にご注意ください。
2. どんな方に向いていますか?
向いている方
- 変形が初期〜中期(進みすぎていない)の方
- 飲み薬・ヒアルロン酸注射・リハビリで効果が不十分な方
- 手術はまだ避けたい方
- ステロイド注射を続けたくない方
向きにくい方・注意
- 変形が末期(骨どうしが当たる)の方は効果が出にくい
- 強い腫れ・感染がある方
- 血液の病気や、血をさらさらにする薬を使っている方(要相談)
- 妊娠中・悪性腫瘍の治療中などは適応外のことがある
※効果には個人差があり、必ず効くとは限りません。適応は診察・レントゲンで判断します。
3. 進み具合(KLグレード)と効きやすさ
膝の進み具合は、レントゲンでKL分類(グレード1〜4)で表します。進みが軽いほど効果が出やすく、末期(グレード4)では効きにくい傾向があります。
研究をもとにしたおおよその目安です(症状がよくなった方の割合)。報告によって数値に幅があり、年齢や体重、生活習慣などでも変わります。実際の見込みは診察でご説明します。
4. 治療の流れ(当日・約30〜40分)
- 腕から少量の血液を採ります(通常の採血と同じです)。
- 専用の機械で遠心分離し、血小板を濃縮したPRPを作ります(十数分)。
- できたPRPを、エコーで確認しながら膝関節の中へ注射します。
- 当日はそのまま帰宅できます。回数は数回に分けて行うことが多く、間隔は診察でご案内します。
注射後、数日は一時的に腫れや痛みが強くなることがあります(炎症反応)。多くは自然におさまります。
5. メリットとデメリット
メリット
- 自分の血液を使うためアレルギー・拒絶が少ない
- 手術より体の負担が小さい(外来で完結)
- ステロイドと違いくり返しの制限が少ない
- 効いた場合、効果が数か月〜持続することがある
デメリット・限界
- 保険がきかない(自由診療)で費用がかかる
- 軟骨は再生しない(進行を止める確実な証拠はない)
- 効果に個人差があり、効かないこともある
- 末期では効きにくい
- 注射後、数日の腫れ・痛みが出ることがある
6. 費用・回数について
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 診療区分 | 自由診療(保険適用外)。全額自己負担です |
| 費用 | 使うキットや回数により異なります。診察時にご説明します |
| 回数 | 数回に分けて行うことが多いです(製剤・症状により調整) |
| 効果の出方 | 数週間かけて徐々に。効いた場合、数か月〜持続することがあります |
PRPは「他の治療の代わり」ではありません。 運動療法(太もものトレーニング)・減量・生活の工夫は、PRPを行う場合も引き続き大切です。土台のケアと組み合わせることで、より良い状態を保ちやすくなります。
7. まとめ
PRPは「炎症をしずめて痛みをやわらげる」注射です。軟骨を再生する治療ではなく、進みが軽い時期ほど効きやすいのが特徴です。
▶ 病気そのものについては 変形性膝関節症のページ もあわせてご覧ください。
※この記事は一般的な情報であり、個別の診断・治療方針に代わるものではありません。効果・適応・費用には個人差があり、最終的な判断は診察で行います。数値は複数の研究report をもとにしたおおよその目安です。


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