肩関節周囲炎

疾患別 診断からリハビリまで

この記事では肩関節周囲炎の外来診療に役立つ資料や書籍をまとめています。

参考になる論文

腱板粗部(Rotator interval)周囲の解剖とエコー所見

The Rotator Interval - A Link Between Anatomy and Ultrasound - PubMed
Shoulder pathologies of the rotator cuff of the shoulder are common in clinical practice. The focus of this pictorial es...

肩関節内へ前方から注射する際に必要な腱板粗部周囲の解剖がイラストとエコー画像で分かりやすく解説されています。肩関節周囲炎におけるRIのエコー所見(CHLのドプラ+や靭帯の肥厚)についても記載があります。

サイレントマニピュレーション

治療効果、手技について

Satisfaction of patients with frozen shoulder following silent manipulation: a prospective observation study - PubMed
Silent manipulation is a procedure for frozen shoulders that involves manipulating the shoulder while the patient is awa...

横浜市立大学の宮武先生の論文。サイレントマニピュレーションの治療効果、実施者の手技の習熟度による結果の違いについてまとめられています。習熟度によらず可動域や生活満足度は改善していますが、外旋・結帯の可動域は経験豊富な術者の方が良好な結果となっています。

この文献では最初に外旋して前方の関節包を破断していますが、最近のセミナーでは水平内転で後方関節包から破断する方法が主流になってきています。

合併症

Glenoid fracture during manipulation under anesthesia for adhesive capsulitis: a case report - PubMed
Glenoid fracture during manipulation under anesthesia for adhesive capsulitis: a case report

肩甲骨関節窩骨折のcase reportです。骨折を作らないために、手技の際は上腕の近位よりを持ちレバーアームを短くすることが推奨されています。

上腕骨近位部骨折や脱臼、医原性の腱板断裂のリスクもあるので十分注意して手技を行う必要があります。

おすすめ書籍

長引く肩痛の患者が外来に来たら

診断、インターベンション、リハビリまで一般的な知識を網羅的に学びたい方におすすめです。

肩関節のMRI 読影のポイントと新しい知見

肩関節周囲炎のMRI所見として、腋窩嚢拘縮と腱板疎部拘縮が紹介されています。全例撮影する訳ではないですが難治例では確認しておきたいですね。

はじめはみんな初心者だった ゼロから始める運動器エコーマスターへの100ステップ

エコーを用いたインターベンションを学びたい方におすすめです。関節内注射、SAB注射、LHB注射、肩甲上神経HRなどが紹介されています。動画付きなので分かりやすいです。

RUSI入門 みえる!エコーガイド下運動療法

エコーを用いた理学療法について学びたい方におすすめです。末梢神経(腋窩神経、筋皮神経、胸背神経など)への徒手療法について紹介されています。

患者さんへの説明資料

日本整形外科学会資料

1枚にまとまっているので持ち帰ってもらう資料として使っています。

https://www.joa.or.jp/public/ation/pdf/joa_005.pdf

理学療法士協会資料

治療の流れについて詳しく説明したい場合におすすめです。

https://www.japanpt.or.jp/activity/asset/pdf/handbook13.pdf

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