整形外科クリニックで勤務する中で、リハビリテーションの重要性をますます感じるようになりました。外来でも、患者さんにエコーを当てながら簡単なリハビリを説明できるようになりたいと思い、この教科書に出会いました。理学療法士の方への教材ですが、整形外科医の立場でも読み進めやすく勉強になったので紹介します。
RUSI(エコーガイド下運動療法)とは?
RUSI(Rehabilitative Ultrasound Imaging)は、エコーを用いてリアルタイムで筋肉や軟部組織を観察しながら行う運動療法です。以下のようなメリットが紹介されています。
- 運動中の動的な評価ができる
- 治療対象となる組織に適切にアプローチできる
- 理学療法士、患者さんへのフィードバックができる
この本の概要
RUSIの基礎知識から具体的な臨床応用まで、疾患ごとに幅広くまとめて下さっています。各章以下のような構成で解説されています。
- 疾患の一般的な説明
- エコー画像を用いた解剖の解説
- 具体的なリハビリ手技の解説: 画像と共に、どのようにエコーを使って筋肉や関節を評価し、運動療法を行うかが詳細に解説されています。
- 臨床応用の実例: 実際の臨床現場でのRUSIの活用方法や、患者へのアプローチ方法についてのケーススタディも豊富です。
感想
筋膜の肥厚や、筋の収縮/滑走不全など、医師向けの教材ではあまり取り上げられていない所見についても記載があり勉強になりました。エコー解剖を基に解説されているので医師の視点でも読みやすい書籍です。
理学療法士の方の疾患の捉え方が分かれば、患者さんにもリハビリを勧めやすくなりますし、ハイドロリリースなどのインターベンションについても納得して頂きやすくなると思います。理学療法士の方と協力して、エコーを共通言語とした一体感のある治療を提供できるようになりたいです。
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