



患者さんにリハビリを処方する際に、どんなことをするんですか?と聞かれ答えに困った経験はないでしょうか?
整形外科クリニックで勤務する中で、リハビリテーションの重要性をますます感じるようになりました。外来でも、患者さんにエコーを当てながら簡単なリハビリを説明できるようになりたいと思っていたところ、この書籍に出会いました。理学療法士の方への教材ですが、整形外科医の立場でも読み進めやすく勉強になったので紹介します。
こんな人におすすめ!
運動器エコー初学者(整形外科医、理学療法士、柔道整復師)
書籍の概要
本書は、森ノ宮医療大学の工藤慎太郎教授が編集された
“PTが”、“PTの視点で”、“PTのために”
超音波エコーを用いた理学療法の臨床実践とその基盤となる撮像方法をまとめた
*本書序文より引用
が特徴の1冊です。
RUSI(エコーガイド下運動療法)とは?
RUSI(Rehabilitative Ultrasound Imaging)は、エコーを用いてリアルタイムで筋肉や軟部組織を観察しながら行う運動療法のことです。
- 運動中の動的な評価ができる
- 治療対象となる組織に適切にアプローチできる
- 理学療法士、患者さんへのフィードバックができる
この本の概要
RUSIの基礎知識から具体的な臨床応用まで、疾患ごとに幅広くまとめて下さっています。各章以下のような構成で解説されています。
本書で学べること
- 疾患の一般的な説明
- エコー画像を用いた解剖の解説
- エコーを使った具体的なリハビリ手技の解説
- 実際の臨床現場でのRUSIの活用方法
個人的総評
内容:基礎/ 専門
用途:通読/ 辞書
使用頻度:★★★☆☆
持ち運び:★★★☆☆
おすすめの使い方、読み進め方
部位別にまとまっているので、興味のある範囲を章ごとに読んでいくのがおすすめです
筋膜の肥厚や、筋の収縮/滑走不全など、医師向けの教材ではあまり取り上げられていない所見についても記載があり勉強になりました。エコー解剖を基に解説されているので医師の視点でも読みやすい書籍です。
理学療法士の方の疾患の捉え方が分かれば、患者さんにもリハビリを勧めやすくなりますし、ハイドロリリースなどのインターベンションについても納得して頂きやすくなると思います。理学療法士の方と協力して、エコーを共通言語とした一体感のある治療を提供できるようになりたいです。
まとめ
エコーを使ったリハビリテーションを学びたい整形外科医・理学療法士におすすめの1冊!
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